専門知識・解説
2025.05.27
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「美しい水をつくる、美しい水を創造する」ために – 株式会社スイレイの社会的役割と目的

「美しい水をつくる、美しい水を創造する」ために – 株式会社スイレイの社会的役割と目的

「美しい水をつくる、美しい水を創造する」

これは当社の社訓であり、私たちが日々現場で向き合っている大切な使命です。
排水処理設備の設計・施工・運用を担当するということは、単なるインフラ整備ではなく、水を通じて社会や環境との繋がりを築く責任ある仕事と捉えています。

この記事では、排水処理設備の基本的な分類と、それぞれの役割について分かりやすくご紹介します。排水処理設備導入を検討しているご担当者の方にとっての選定のヒントとなれば幸いです。

排水処理設備は4つのタイプに分けられます

排水処理設備は、その用途や目的に応じて、大きく4つに分けることができます。それぞれの特徴や必要とされる技術には違いがありますが、共通して、水をきれいにすることが目的です。

1. 工場から発生する排水を処理し、自然界・川や海に戻す排水処理設備

 たとえば、食品工場や製紙工場などでは、大量の水を使うため、それに伴って多くの排水が発生します。この排水には、油分や有機物、場合によっては微細な固形物などが含まれており、そのまま流すことはできません。

沈殿、ろ過、中和、酸化還元などの処理を経て、法令で定められた基準を満たすように浄化し、自然に戻します。

2.工場内ラインにて純度が高い水をつくり洗浄し、重金属や有機物を処理し自然界に放流する排水処理設備

製造ラインの中には、高純度の水でなければならない工程があります。

そのような場面では、イオン交換樹脂塔やRO(逆浸透)装置などを使用し、純水や超純水をつくります。

たとえば、半導体製造や精密機器の組み立てラインでは、水中の微細な不純物すら不良品の原因になることがあります。

その一方で、それらの工程で使った水は排水となり、重金属や有機物を含むことがあるため、これも適切に処理し、自然界へ戻すことが求められます。処理と供給の両立が求められる点が、このシステムの特徴です。

3.クローズドシステム

2つのタイプの排水処理を組み合わせた、より高度なシステムです。

カドミウム、シアン、六価クロムなどの有害物質を含む排水を外部に一切出さない「クローズドシステム」

ニッケル、銅といった重金属類や、BOD・CODが高い排水を適切に処理し、放流するシステム

特にクローズドシステムは、排水ゼロ(無排水)にしていこうという考え方です。これは、排水処理におけるトラブルが万が一発生した場合でも、近隣地域の環境や河川に影響を与えないようにするための仕組みであり、非常に重要な社会的責任を担っています。

たとえば、化学薬品を取り扱う工場で、ある日、排水中のシアン濃度が突発的に上昇した際、クローズドシステムを採用していたことで、排水はすべて再処理され、外部に一滴も漏れ出すことなく収束した、という事例もあります。

4.工場から発生する排水を工場内ラインの用途に応じて処理し再利用するリサイクルシステム

工場から発生する排水を再び工場内ラインの用途に応じて処理し再利用するリサイクルシステムは、水資源の有効活用だけでなく、コスト削減やBCP(事業継続)対策としてのメリットもあります。

これを実現するためには、事前に緻密な調査・分析することが重要です。

排水処理設備に求められるのは「環境基準+メンテナンス性」

排水処理設備の構築では、まず何よりも、法令で定められた排出基準を守ることが大前提です。

ですが、それだけでは十分とはいえません。

毎日の点検や整備がしやすい「メンテナンス性」も、とても重要なポイントです。もし、点検や整備がしにくいと、ついメンテナンスが後回しになってしまい、設備の性能が落ちたり、思わぬトラブルが起きたりする可能性があります。

これらを両立させてこそ、真の水処理メーカー・コンサルタントといえると考えています。

お客様に合わせた「水の最適解」をつくる

私たちは、お客様が求める純度・水質・水量をクリアしなければなりません。そのためには、含まれる薬品の種類、処排水系統、処理及びリサイクル方法を知る必要があります。

最初のヒアリングから、現地調査、工程の把握、そしてテストを経て、「この工場に最適な水処理システムとは何か」を徹底的に考え抜きます。

クローズドシステムの考え方

工場から発生する排水を処理・再利用するリサイクルシステムは、無排水システムともいいます。無排水システムには様々な意義がありますが、最も重要なのは、工場内でもし排水処理に関わることでトラブルがあっても、近隣地域の環境に影響を与えない、という点です。

どんなに技術が進歩しても、自然の中で“水を借りている”という意識を忘れてはいけません。

だからこそ、「美しい水をつくる、美しい水を創造する」という使命感と共に、これからも設備づくりに取り組んでいきます。