活性炭の購入で失敗しないために|用途別の選び方とスイカーボン活用ガイド
工場排水の処理で活性炭の導入を検討しているものの、種類が多すぎて、自社の排水にどれを選べばいいのか分からないとお悩みではありませんか。
活性炭は、原水の成分や処理フローとの相性を踏まえて選ばないと、思ったほどの効果を得られず、コストだけがかさんでしまうこともあります。
そこで今回は、活性炭購入前に押さえておきたいチェックポイントについてお話しするとともに、スイレイの活性炭「スイカーボン」をご紹介します。自社の排水に合った活性炭を選び、安定した水質管理とコスト最適化を両立させたいご担当者さまは、ぜひ参考にしてください。
活性炭を購入するときによくあるお悩み
工場や事業場の排水処理で活性炭の導入を検討するとき、「本当に自社の排水に合うのか」と不安を感じるご担当者さまは少なくありません。パンフレットや通販ページを見ても、結局どれが自社にとって最適なのか判断しにくいのが実情です。
種類が多すぎて、自社の排水に合う活性炭がわからない
一口に活性炭といっても、原料(石炭系・ヤシ殻系など)や形状(粒状・粉末)、粒度、細孔分布など、さまざまな種類があります。カタログには「脱臭用」「有機物除去用」などと書かれていても、自社の排水に含まれる成分とどの活性炭がマッチするのか、自前で判断するのは簡単ではありません。
さらに、凝集沈殿や生物処理の「後工程」として活性炭を使う場合もあれば、クローズドシステムのように再利用水の高度処理として使う場合もあり、求められる性能や寿命も変わってきます。
価格だけで選んでよいのか不安
活性炭は、銘柄やグレードによって単価にかなり幅がありますから、「できればコストを抑えたい」と考えるのは当然です。
一方で、単価だけを見て選んでしまうと、吸着性能や寿命が想定より短く、交換頻度が増えてしまい、トータルコストがかえって高くなるケースもあります。初期費用だけでなく、どれくらいの量をどの頻度で補充・交換するのかという視点が必要です。
購入前にまず相談したい
活性炭の性能は、カタログだけでは判断しきれません。同じCODや色度を下げる目的でも、原水の組成やpH、既存の処理フロー(凝集沈殿、生物処理の有無など)によって、実際の効き方は大きく変わります。
そのため、どの活性炭が適しているのか、相談に乗ってくれるパートナーはいないか?とお考えの方もいらっしゃると思います。
活性炭を選ぶ段階で、検討を一緒に行ってくれるパートナーがいるかどうかが、安心して購入に踏み切れるかどうかの大きな分かれ目になっています。
スイレイの活性炭「スイカーボン」が選ばれる理由
先ほど挙げたようなお悩みを解決するうえで大きなポイントになるのが、「どこから活性炭を購入するか」です。
スイレイの活性炭「スイカーボン」は、単なる活性炭の袋売りではなく、水処理専業メーカーとしての知見にもとづいた選定・提案まで含めて提供できる点が特長です。
50年以上の水処理専業メーカーとしての実績
スイレイは、創業以来50年以上にわたり、工場排水の水処理システムを設計・施工・管理してきた水処理専業メーカーです。めっき・表面処理ラインをはじめとした各種工場の排水を対象に、オーダーメイドの水処理設備や薬剤を提供しており、現場に根ざしたノウハウを蓄積しています。
こうした実績を背景に、社内には独自の研究所「SUIREI Labo」が設置されており、実際の排水を用いたジャーテストや小規模試験を行いながら、最適な活性炭の種類や必要量を検討することができます。
単にカタログ数値だけでなく、「実際の現場水で効くかどうか」を確かめながら選べることが、スイカーボンの大きな安心材料といえます。
海外生産品「スイカーボンAシリーズ」と、国産「スイカーボンFシリーズ」で幅広く対応
スイカーボンは、大きく「Aシリーズ」と「Fシリーズ」の2ラインで構成されています。Aシリーズは海外生産の粉末活性炭で、コストを抑えて導入しやすいのが特長です。一方、Fシリーズは国内生産の粉末活性炭で、品質と処理の安定性を重視したラインです。
いずれも10kg単位を基本とした扱いやすい量で、既存の排水処理設備に組み込みやすくなっています。「まずはコストを抑えて試したい」「国内品でできるだけ安定した処理を行いたい」など、用途や予算に合わせて導入しやすいでしょう。
用途別に最適化されたラインナップ
たとえば、Aシリーズでは有機酸の処理に適したA5、油分の処理に適したA6、活性炭塔で使用しやすいA3といった具合に、原水成分や使用方法に応じて使い分けができる設計となっています。Fシリーズでも、油分向け、有機酸向けといった用途別の粉末炭が複数ラインナップされています。
目的に応じて最適なグレードを選定できますから、とりあえず汎用の活性炭を使うのではなく、自社の排水特性に合わせた活性炭を選び、処理性能とコストのバランスを取りやすくなります。
活性炭だけでなく、水処理設備全体を見据えたトータル提案が可能
スイレイは、活性炭単体の販売だけでなく、凝集沈殿設備「スイレイシック」やろ過装置、イオン交換設備、薬剤(凝集剤・重金属固定剤など)といった水処理システム全体を取り扱っています。
そのため、「既存の凝集沈殿処理に粉末活性炭をどのように組み込むか」「将来的に水再利用やクローズドシステム化を見据えてどんな構成にしておくべきか」といった、設備全体を踏まえた相談ができます。
活性炭の選定だけでなく、前処理・後処理を含めたトータルのフロー設計や、導入後のメンテナンス、遠隔監視システムによる運転管理まで一貫して任せられる点は、「活性炭を購入したあとも長く付き合えるパートナーを探している」企業にとって大きな安心材料となるでしょう。
通販での活性炭購入と、水処理メーカーから購入する場合の違い
活性炭は、いまや通販サイトやネットショップでも簡単に購入できます。少量であれば、それだけで十分なケースもありますが、工場排水や事業場の処理ラインに組み込む場合は、購入先によって得られる情報やサポートに大きな差が出ます。
通販サイトで購入するメリット
通販サイトで活性炭を購入する最大のメリットは、「手軽さ」と「スピード」です。
・少量から購入できる
・価格の比較がしやすい
・在庫があればすぐに発送される
といった点がメリットです。
たとえば、ニオイ対策など、ごく小規模な用途や、現場での簡易テスト用に「とりあえず少しだけ試したい」ときには通販でも十分でしょう。
通販サイトで購入するデメリット
一方で、工場排水処理のような本格運用を考える場合には、次のようなデメリットもあります。
・排水性状や既存設備に合うかどうか、技術的な相談がしにくい
・カタログの数値だけでは、実際の処理性能や寿命がイメージしづらい
・トラブルが起きたとき、原因を一緒に解析してくれる窓口までは用意されていないことが多い
小規模用途・試験用途には便利ですが、本格的に導入するには情報が足りません。
水処理メーカーから購入するメリットは処理フローまで含めた検討ができること
工場や事業場の排水処理で活性炭を使う場合、活性炭だけを単独で見ていても、なかなか最適解にはたどり着けません。実際には、次のような要素が複雑に絡み合っています。
・前処理:中和、凝集沈殿、油分分離、生物処理
・活性炭処理:粉末活性炭添加か、活性炭塔か、その両方か
・後処理:ろ過・膜・イオン交換、消毒、再利用ラインへの送水など
何に、どう使用するのか、全体を俯瞰してみないと、適切な活性炭を選べません。
そのため、原水〜処理水までの水質や、既存の処理フローなども踏まえた検討が必要です。
水処理メーカーから活性炭を購入する場合は、この全体設計を一緒に考えながら、どこにどのように活性炭を組み込むかを検討していけるのが大きなメリットです。
トラブル時の原因切り分け・再発防止まで相談できるパートナーの重要性
排水処理ラインは、原水負荷の変動や生産条件の変更、季節変動など、さまざまな要因で状態が変わります。
・突然、排水基準をオーバーしてしまった
・これまでと同じ運転条件なのに、CODが下がりにくくなった
・泡立ちやスカム、スラッジ増加などのトラブルが増えた
といった状況に直面したとき、原因がどこにあるのかを切り分けるのは簡単ではありません。
活性炭そのものの劣化なのか、前処理条件の変化なのか、ここを適切に見極めないまま、やみくもに活性炭の銘柄や添加量を変えてしまうと、コストだけが膨らみ、根本的な解決にはつながりません。
水処理メーカーから活性炭を購入すれば、過去の分析データや運転履歴を踏まえた、原因切り分けのサポートが可能です。また、必要に応じた設備改善や運転条件の変更提案など、トラブルの一次対応だけでなく、再発防止まで含めて相談できます。
活性炭は一度導入すると長く付き合う薬剤です。「買って終わり」ではなく、「運転状況が変わったときにも相談できるかどうか」という視点で、購入先を選びましょう。
まとめ
活性炭を購入するとき、種類が多くてどれを選んだら良いかわからないからと、価格だけで選ばないことです。どんな排水に使うのか、既存の処理フローのどこに組み込むのかなど、処理システム全体を俯瞰して選んでください。
スイカーボンは、Aシリーズ・Fシリーズという2つのラインナップで、コスト重視の現場から、安定性重視・将来の水再利用を見据えた現場まで、幅広いニーズに対応できる活性炭です。
さらに、水処理専業メーカーとして、前処理〜後処理を含めたフロー全体を一緒に検討できる点も、大きな安心材料になります。迷ったら、ぜひ一度、私たちスイレイにご相談ください。