専門知識・解説
2026.01.19
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ろ過設備のメンテナンスについて

ろ過設備のメンテナンスについて

排水処理設備において、凝集沈殿処理や生物処理を行った後、一部リークするSS(微小物質)成分を更に捕集していく、若しくは微量に残存した有機成分を吸着処理する活性炭塔を用いることがございます。この様な設備に関しては、最終放流していく上での最後の核となるものとなるため、そのメンテナンスも重要となります。

ろ過設備の運用ポイント

1、ろ過設備は、処理すべき原水の流量をしっかりと見ていく必要があります。

ろ過設備の大きさやろ材量によって異なりますが、それにより通水できる量が決まっており、それ以上の量を流してしまうと捕集や吸着をしきれずリークしてしまったり、想定より早い段階で詰まりや活性炭の破過が起きたりする可能性があります。流量は決められた量を流すようご注意ください。

2、砂ろ過ろ過状況把握は、ろ過設備入出口に設置した圧力計にて圧力状態を見ていくことが重要な指標となります。

砂ろ過では、ろ材表層にて水中のSS成分を捕集し、水をきれいにしていくため、通水していくうちにろ材表層にSS成分の汚れが蓄積していきます。これにより、徐々に入出口の圧力計に圧力差が生まれ、ろ過能力が落ちていきます。圧力差が生まれ、ろ過能力が落ちてきましたら、逆洗という工程を行い一度蓄積した汚れを洗い流す必要があります。

基本的にはこまめに行う必要がありますが、一時的に処理を止め行わなければいけないため、休み等のタイミングで行う必要性があり、手間などもかかることから怠ってしまうこともあるかもしれません。しかし、蓄積した汚れがろ材に付着してしまい取れにくくなってしまったり、場合によってはそのまま固着し、岩の様になってしまい逆洗等を行っても回復しなくなる恐れがあります。

これは有機成分を吸着する活性炭塔でも同様で、どうしても水中の汚れが蓄積していき、流量低下等を招く恐れがあるため、逆洗を行う必要性があります。常日頃より圧力計にて圧力差を確認し、ろ過状態の把握をお勧めします。

3、活性炭塔は、使用していくうちに有機成分の吸着能力が低下していき、徐々に有機成分のリークが見られるようになっていきます。

流量や圧力等では察知することはできず、定期的に処理水を分析に出すことや簡易測定を行い、処理ができているかを確認する必要があります。確認ができていないと、知らぬ間に排水基準を超過してしまい、行政指導を受ける恐れがありますので、ご注意ください。

ろ過設備のろ材交換とリサイクルによる環境負荷低減

以前の記事にて安定的な処理水放流のためにろ過設備の日々のメンテナンスのポイントを記載致しました。しかし、どんなに気を付けてメンテナンスを行い運用頂いていても、ろ過砂や活性炭といったろ材は消耗品であるためいずれろ過能力に限界を迎えます。

ろ過設備のろ材は定期的に交換を行う必要性があります。

ろ材交換は、バキューム等にて内部のろ材を吸引して除去し、その後内部を清掃していきます。この際、普段ではなかなか内部の状況等の確認ができないため、ストレーナー破損の有無や内部の劣化状況把握など総合メンテナンスを行うタイミングとなります。

その後、新規のろ材を投入していき、復旧作業、水張り、簡単な初期洗浄を行い、通常通りの通水を行います。

ろ材交換は、通水量や負荷量にもよりますが、砂ろ過は2~5年に1回、活性炭は1~2年に1回の交換を推奨しております。よくギリギリまで使用されている会社様もいますが、ろ過設備は一度悪くなる傾向が見られると一気に状況が悪化する恐れがあり、それにより水質を保てなくなってしまうことがございます。悪くなってから焦って対処する前に交換周期を定め、計画的に余裕を持った交換をお勧め致します。

最近の弊社の取り組みに、撤去したろ材を再利用する方法を提案しております。

以前は、吸引したろ材は産業廃棄物として処分することが多く、処分費や環境負荷がかかっていましたが、回収したろ材を再生し、そのまま再度利用することができるようになりました。これにより、処分費がかからなくなること、環境負荷低減の取り組みの一環としてアピールすることもできます。

新規で購入するよりも費用はリーズナブルで、ランニングコスト低減に繋がります。

処理水の水質安定化のため、ろ過設備の適切なメンテナンス及び運用のご参考になれば幸いです。