『中堅座談会』

中堅座談会

最初にまず、自己紹介からお願いします。

倉橋
営業部の倉橋です。部長をやっています。リーダーとして心掛けている事は、個々の営業マンの相談に乗ったり、指示を出したり出来ればと思っています。
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倉橋営業部 部長

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村上大阪営業所 所長

村上
大阪営業所、所長を任せて頂いてます。営業からメンテ、工事の現場監督、手配関係と営業所全体の業務を行っており、バタバタとしていますが楽しく仕事しております。
工藤
プラントエンジニアリング部、係長の工藤です。主に設計施工、施工の現場に出向き現場監督ということが多いです。心掛けていることは無事故で工事を終わらせること。使いやすい設備をお客様に提供することです。
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工藤プラントエンジニアリング部 設計課 係長

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飯田プラントエンジニアリング部 設計課 設計統括責任者

飯田
プラントエンジニアリング部、設計の飯田です。設計統括責任者になります。私の目指すことは、誰でもできる設計、管理しやすい設計の方法論を構築する事。そして後輩達に継承していく事だと考えています。
大矢
メンテナンス課、次長を任せて頂いている大矢です。現在は、部下4名の育成が主業務になっています。2年前に入社した部下が、ひと通りのメンテナンス業務を実施できるようになり、彼にも新入社員への指導を任せています。
現状では、まだ自身がプレイヤーとして動いている面が大きいので、今後は課全体のマネジメントを強化していきたいと考えています。
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大矢プラントエンジニアリング部 メンテナンス課 次長

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野村営業部係長兼 電子部品営業部

野村
営業部、係長の野村と申します。私の場合は直属の部下はおりませんが、20代の後輩社員から営業業務での相談事を聞いたりしています。また、電子部品営業部の主担当も兼任させて頂いています。
このビジネスの拡大は自分自身にかかっていると思いますので、今後更に飛躍出来るよう頑張ります。
廣嶋
東京営業所の廣嶋です。業務は、関東エリアの営業、メンテナンス、施工時の現場監督をしております。心掛けていることは、出先での機動性です。色々な試みができる部署だと思いますので、新しい技術に取組み、進んでいければと思っています。
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廣嶋営業部 部長兼 東京営業所 所長

司会
スイレイは45年の企業ですが、皆さんの勤続年数は?
倉橋
26年。
野村
10年。
村上
21年。
廣嶋
23年。もっとあったかも。24年。
大矢
26年。
飯田
7~8年。
工藤
24年です。
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最初にまず、自己紹介からお願いします。

大矢
かなり変わってはいると思います。まあ、同じような面もあるとは思います。
司会
どんな面が変わったのでしょうか?
大矢
やはり社長が変わったというのが大きいですね。非常に良くなったと思います。今までの会社のルールも変えてきているし、社員旅行にも行くようになったかな(笑)
司会
倉橋さんどうですか?営業面での変化はありますか?
倉橋
メッキ業界ではネームバリューがあり、認知されていると思います。
うちの経営状態まで皆さんよく見られていて、「スイレイ儲かってるね」とお声をかけられる事もあります。しかし反面、小さい規模の昔馴染みのお客様からは「うちは相手してくれないのかな」と言われてしまう事もありますね。スイレイの排水処理設備を長年使って頂いている事はとても有難いのですが、ほとんど更新されていないお客様には、営業としては足が遠のいてしまっているのが正直なところです。
近年はお客様の規模が大きくなってきました。仕事の内容自体は変わっていませんが、メッキ業界のお客様が半分以下に減ってきています。仕事のボリューム全体も変わっていないのですが、お客様自体が大規模になられたり、それに伴い、関連するところからお仕事を頂くという事で、以前よりも大手のお客様が増えてきています。
工藤
お客様筋が変わったというのは感じます。入社した当時は自動車関連オンリーでやっていたところが、2000年に入った頃から電子部品関係の仕事が入るようになり、お客様筋が一つ広がったと思います。2000年代には、今度は航空機関係。現場に行っているのでそういったことを感じていますね。
廣嶋
変遷という形で概要はそうだと思うんですけど、私の中で危惧するのは、本来は専業メッキ業として色々なことを教えて頂いた会社だと思うのですが、一つの大きな転換期の中で、そういう部分が継承しきれていないのではないかと。それが勢いだけで、突き進んでいいのかなとも思うんですよね。本来の専業メッキ会社のお客様が減っているといいつつも、色々と教えて頂く事も多々あると思うんです。従来は上手にうちが拾い上げていた事が、今は出来なくなっているのではないか。片一方で大きな仕事があるという事もありますが、そういった事を看過してしまうと、あるとき我社の強みが揺らぐのではと、少し危機感を持っています。
村上
私の入社は平成7年。当時の大阪営業所では、名古屋本社が行っている工場排水処理設備、メッキ排水設備、表面処理排水設備ではなく、主にゼネコン業界の仕事だったんですね。下水道工事やトンネルを掘った際の濁水処理設備の期間リースを行っていました。 しかし情勢の変化に伴い、2~3年後には期間リースの仮設設備から撤退し、工場排水設備へと変わっていきました。私の中では、業務内容が全く切り替わり、2~3年間培った仕事がゼロになるという経験をしました。
社員も私より先輩たちは結構残っていますが、若手は結構やめているんです。スイレイは少数精鋭という言葉を使いますが、昔は叩き上げだったんです。昨今は若手社員が揃ってきていますので、基盤をもっと積み重ねる必要があると思います。
野村
私は社歴10年で、水処理関係の営業としては6年目になりますので、20年前のスイレイとの比較はできませんが、入社当時は今のような研修はなくて、基本的に実務経験から学んでいました。しかも私は文系でしたから水処理に必要な化学知識は全くなく、上司、先輩方に一から教えて頂きました。
司会
飯田さんは8年ということですが、設計を担当されていることの難しさを教えてください。
飯田
スイレイに携わってからの年数はまだ浅いですね。実際はこういう感じなんだなと思って、現場も設計も経験して来ました。 当初から知らない事づくしという感じで。その中で自分の設計力のどこを活かせばいいのかを模索し、今もその最中です。私が携わったころから、業務の傾向が変わって来たように感じます。例えば、排水のリサイクルというタイプの仕事に携わらせて頂きました。大手のお客様、小規模のお客様に対する接し方、それぞれの携わり方など、組織や仕組みに合わせた対応を実感しています。今まで経験してきた自分の引き出しを、どう出せるかという事を感じながら、日々業務に取り組んでいます。

自分がリーダーとして部下を指導しながら、どんな努力をやってきたか?

司会
倉橋さんはリーダーとして部下を指導しながら、どんな努力をされてきましたか?
倉橋
会社自体、体制作りができたのは2、3年くらい前からです。今までも部署があり、役職もありましたが、チームとしての動きは最近のことです。部長、課長といった役職はあっても、マネジメントはありませんでした。会社自体がマネジメントを意識しだしたのは社長が新しくなってからです。以前はどちらかというと、仕事ができるのが役職という形で、フラットな組織でした。今では、毎月こういう風にやりたい!という本人の目標を掲げてもらい、それに対して自分がどう対応、指示していくか。そこに向かって頑張っている途中です。リーダーとして、そういった考えや使命感を持っていないと人はついてこない、と思いながらやっています。
司会
自分たちの部署の質を上げるために、やっていることはありますか?
倉橋
仕事の質を上げるというよりも、本人のやる気を促すということをやっています。
会社全体でいうと、月曜の朝ハイタッチをやっています。また帰るときにも挨拶運動。
私のお客様ですが、全然知らない社員の方が立ち止まって挨拶をしてくれるんです。なにか訓練をされているのでしょうかと尋ねましたら、「恥ずかしい話だけど、朝礼のときに練習をしています」と言われて。。。私の担当地区では、優秀なお客様の3件が3件ともそれに近いことをされていました。また、挨拶できない社員は切る、という厳しい社長さんもおられました。速度を図る装置があって、遅いともっとシャキシャキ動け、というメッセージが出ます。やる気のない人は歩く速度が遅い。やる気のある人は早いらしいですよ。
司会
ハイタッチと挨拶運動?
倉橋
もう一年半くらいやってますね。
一同
もっとやってますよ。
司会
やる前とやった後の違いはありますか?
野村
ハイタッチは月曜の朝礼時、本社スタッフ全員で行いますので『今週もがんばろう!』と仕事に入る良いきっかけになってますね。その後、全員で掃除をするということが当たり前になっています。逆に『ハイタッチと清掃』がないと物足りない気持ちになります。
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司会
廣嶋さんはリーダーとして自覚されたこと、常日頃部下にどういうことを
求めていますか?
廣嶋
私が役職付になった時は大阪にいたんですけども。
司会
大阪は何年くらい?
廣嶋
8年くらい、そのあと名古屋本社に戻りました。今思うと、あの時も2年くらい本社でプラント営業をやっていたんですが、大阪のほうで売上が確保できずに、結局そのテコ入れで私が大阪に赴任しました。それから2年くらい経った時に、大阪の売上維持が困難になり、当時の大阪所長が辞めて、ところてん方式で私が所長をやることになった。そして、会社として初めて新卒採用をして業務体制を整えました。その新卒採用者が、現大阪所長の村上なんです。当初、売上が上がらないと、「若い者を採用したけどどうするんだ」ということになって。。。そういう売上げの上がらないところから脱却して、本社同様プラント営業をやるという事になり、2人でやっていく事が決まり、たまたま良い案件が受注できた。だから指導とか何とかいうよりも、二人で走り回って、何とかやったというのが実情です。上がいなくなったから、必然的にやらないといけないという事で走り回って、そこで売上を確保する為に業容・業態を転換したということです。
それは、自分の中でも一か八かの賭けでしたよ。それがたまたま結果に結びつきました。
司会
当時の社長、今の会長はどういう感じでした?
廣嶋
正直いうと、冷たいもんだなと思いました(一同笑)
司会
それを乗り越えて。
廣嶋
自分なりには一生懸命頑張ったけれど、やっぱり運だったと思いますよ。
司会
大矢さんはリーダーとしての自覚はいかがですか?
大矢
昔のことを思い出していたんですけど、前は中途採用の人間ばかりだったので、上下関係がうまくできないんですよね。みなさん色んなところで経験した人が集まっていましたから、得意分野がそれぞれあって「自分が自分が」みたいな感じで、本当に個人商店状態で縦の繋がりも横の繋がりもないと。。。そんな会社でした。
現在は私の部署へ入ってきた連中が若い人達なので、その辺は上下関係がうまく出来ていて凄く良い感じです。2年くらい前までは誰もいない状態でしたから、部下ではありませんが協力会社の方々のおかげで、ここまでやりこなしてきたという感じですね。
廣嶋部長が言っていたことにも似ていますが、お客様に急かされてやるとか、緊急性のあるところからやるとか、なかなか手が回りきれなかったこともあり、やれる範囲が限られてしまって。。。まあ、未だに継続中な感じもありますが、その辺も新入社員に教えて、網羅できるようにしたいと思います。
司会
今までは中途採用だったのが、新卒採用ばかりになってきたんですよね。その辺に指導することの戸惑いはありますか?
大矢
…ありますね。それは社会人としての常識というのが意外と通じない。「なんで」と驚くことはあります。
司会
日頃部下に言い聞かせてることは?どういうことを教えていますか?
大矢
昔から人に教えるときは、基本自分と同じことが出来るようにしようという事で教えています。分からない事があったらすぐに聞け、時間の無駄だ、分からない事はいつまで考えても分からない、人に聞けば30秒で終わる事だ、ということを言い続けています。また、何をやるにしても、早く。どっちみち下手なんだから早くやる。
のんびりやることを覚えると、ゆっくりになってしまうんですね。早くやるという事は雑という事とは違って、コツというんですかね。。。いかに早くやれるだろうか、と考えないと早くは出来ないんですよ。ですから、『こうしたら早く出来るよ』と指導します。早くやると綺麗に出来るんですよ。遅いと結果、意外と汚いんですよ。ですから、今はどのみち下手でも早くやれと経験してもらっています。
中堅座談会
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司会
工藤さんいかがでしょうか?
工藤
営業が受注してきて、お客様と約束した事を形にして、お客様に提供する、というのが僕の仕事です。以前、全く仕事がなかった経験があります。なので特に新人と一緒に働く時は「場に敬意を示せ」と言います。お客様に使い勝手がいいものを供給しなくてはいけないので、もちろん「品物を大事に扱え」とも。場を頂いて仕事をやっているので、場に敬意を示せということは必ず言っています。
司会
工藤さんもそれを先輩から教えてもらったのですか?
工藤
そうですね。師弟関係はありましたので。
司会
飯田さんいかがでしょうか?若手の部下がいますけど。
飯田
そうですね。若手には恵まれていると思うことがよくありますね。僕としては、設計はコツコツ積み重ねていく仕事なので、その道中のこの部分をお願いしたいけれど、最終的な目標はここだから、こうやって欲しい、ということを部署全員で考えながら目標を目指そうと心掛けています。
司会
年代的なギャップはありますか?
飯田
それはありますね。細かく拾わないといけない上に、繊細に物を考えないといけない部署なので、気配りみたいな事。それはお客様のことも含め、言われる内容をやっていくという事と、気配りで発見するという事は大分違うと思います。そういう部分で年齢や経験の違いがあると感じています。自分の立ち位置としては、若手に対して違った時は違うと言って、全体で経験を積み重ねさせていくしかないと思いますね。
中堅座談会
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司会
村上さんはいかがでしょうか?
村上
大阪営業所は一人で動いているので、部下がいることはないんですが、たまたま昨年、本社の若手が現場担当をしてくれました。その時感じたのは、若手は失敗を恐れてはいけないという事。遠慮をしていたら伸びるものも伸びない。
事前に確認事項のポイントを見つけてあげて指摘したりはしますが、あとは現場で思い切ってやってくれたらいい。失敗して上司に『馬鹿野郎!』と言われるのも成長だと思っています。
現在はお客様の規模やレベルも上がっているので、なかなかそういう機会はないと思いますけど、失敗して学ぶほうが、教科書を見て学んで、実践せずに終わってしまうよりも、僕はいいと思います。
司会
若手には大いに失敗して。それはこちらが尻拭いができるから失敗させることもできるのですね。
司会
野村さんはどうですか?
野村
後輩には先ず『返事をしっかり大きい声ですること』と必ず伝えます。これを出来るようになるまで何度も言いますね。
何故ならスイレイの仕事は当然、ひとりでは成立しなくて、お客様からご信任を頂くことも、工事で協力会社の方々にご支援頂くことも、社内で円滑な仕事を進めることも、行き着くところはコミニケーションというか、お互いの意思疎通が大切だと思うからなんです。伝える側が相手に伝わったな、と明確に分かるように、大きな声で返事をすることを意識して欲しいと話しています。
中堅座談会

どういった業界、お客様に攻めていこうと考えているか?

司会
営業部はどういった業界、お客様を攻めていこうとお考えでしょうか?
倉橋
大きなくくりでは表面処理業界というのは変わらないですが、石黒技監が進めている航空機業界のユーザー様を広げるという事で進めています。今、航空機業界は10社くらいがありますので、そこから広げていく感じになると思います。
廣嶋
東京の場合は、関東方面を中心にこれから更にユーザー様の開拓を行っていかないといけない。
司会
どういう業界を今後狙いますか?
廣嶋
表面処理ですね。それに関する業界でも、うちの扱っている製品が変わってきているので、製品の用途開発にもアプローチが出来るのではないかと思います。
司会
大阪はどうですか?
村上
自身の特徴を活かして、既存ユーザー様のメンテナンス事業などの安定収入源を目指しています。勿論、新規の獲得も目指しますが、売上安定化をカバーできるベース作りをやらないといけないと思います。
司会
メンテナンス課はどうですか?
大矢
メンテナンスは大手のお客様が増えているので、まだ受注までこぎつけていないというか、契約が出来ていないので、確実にやっていきたいです。あとは、従来のお客様に継続して頂けるようにしていきたいと考えます。
司会
メンテナンスはすごく力を入れるところですよね?
大矢
明らかに売上的にも右肩上がりです。
司会
需要も増えていく感じですか?
大矢
若手社員が育てば当面はいけるんじゃないかと思います。
甘いっ!という指摘もありますが。。。
司会
現場の第一線で見ておられる工藤さん、お客さんへの思いは?
工藤
僕はずっと変わりませんけど、安全で使い勝手が良くて、性能の良い設備を提供すること。そこで評価が出て、またお声を掛けて頂ければ、「スイレイいい仕事をしてくれた。次もスイレイだ」と言って貰えるような設備を作って提供すること。
司会
スイレイいいから、お前のところもスイレイに頼め、という紹介もありますよね。
工藤
そういう評価を頂けるように。
単純に言うと「機械が約束通り動くと嬉しい」ということもありますけど。
司会
設計はどうですか?
飯田
工藤さんの言った通り、きちんと動かないといけない。施工したものを確実にメンテナンスに渡せるように考えるべきところが沢山あります。そこに持って行きたいと思っています。

縦も横も区別がほとんどない、スイレイには個性的な方が多いのか?

廣嶋
今のメンバーはまだ、協調できる者がいます。昔はみんな「自分が一番」という考えで競い合っていました。会長は、自分の下に皆をぶら下げて、自分が全員を支えていくというやり方。
新社長になって、組織化というものを手掛けている中で、今のリーダー達も戸惑っていると思います。
司会
昔はもっと個性的だったんですね。
大矢
途中入社の為、畑がもともといろいろと違うので。。。
司会
そういう人たちを束ねることは難しいことですよね?
野村
会長が束ねていたと聞いてますね。
司会
お客様から見た場合スイレイの価値は?
倉橋
技術だと思います。
中堅座談会
大矢
メンテナンスのスピード感。
スイレイは呼んだらすぐに来てくれる、ということは聞きますね。
村上
早さ。動く早さもですが、トップダウンの早さもです。すぐに反応して、方向性を示すところだと思いますね。
野村
早さはあると思います。
あと意識していることは、どれだけリーズナブルかつ安定的に水マネジメントを出来るか、いかにして安定した水処理やリサイクルの水供給をし続けられるかということです。お客様ごとのシステムを構築し、オーダーメイドの提案を出来る事がスイレイの価値だと思います。
廣嶋
細やかさ。お客様の要望がそれぞれ違うと思うんですけど、その要望を掴み取っていくのが、少数精鋭として他社と比べて秀でているのではないかと思います。私はその心構え・手法を、今は退職された市川専務から伝承しました。
工藤
うちの営業がニッチなところに食いこんでいけるところは凄いと思います。そして競合他社よりもお安く出来るところも巧いと思います。
飯田
会長にしても社長にしても、『お客様視点』が凄くよく出るキーワードなんです。その言葉を営業もメンテナンスも設計の僕らも皆考えているからリピートしてくださるお客様がいる、ということだと思います。それが原動力になっていると思いますね。

これから質の追求を考えたときにスイレイの課題はなにか?

司会
クライアントから見たスイレイは頼もしいパートナーということになると思います。これからのスイレイを考えた時、課題は何だと思いますか?もっと良くなる為にどうやっていきたいですか?
倉橋
現状では、技術のある者が頑張っているということがありますので、その継承がひとつ。また、お客様が大手になりつつあることから、今まではスピード感という部分では評価を頂いていますが、今後はお客様の求めている質に対応することが大切だと思います。あとは全体の技術力向上も必要だと思います。
大矢
お客様層のレベルが上がってきているので、メンテナンスの技術を上げていかないといけないというのは感じます。
廣嶋
うちのテーマとして考えると、サービスの質とか、技術の質とか、言葉としては出てくるんですが、おそらく皆考えている事はそれぞれ違うと思うんですよね。例えば僕のイメージで言うと、お客様に対して、トータルの中での運用支援プログラムというものを上手に提示して、それを新しい価値に変えていく。その新しい価値の報酬として売上に変えていくという、付加価値を作り出す事が大事だと思います。
村上
課題といいますと、今の会長は鞭叩いて方向性を示してくれた。個人商店から、今は各部署チームとして組織で動いています。会議で「こうしましょう」ということは決まるけれど、誰も結構やれていないんですよね。プランを立てても行動がともなっていないので、よかったのかどうかの確認が出来ていないし、またゼロから作って同じことを会議でやっているような気がします。
そこは仕組み作りを始めていく必要があるかと思います。
司会
組織を動かしていくPDCサイクルを回していく仕組み作りですね?
村上
うちの会社は決め事がコロコロ変わることが多いので。。。 お客様への質の向上というよりも、組織のあり方だと思います。10年後、その次、誰がいますか?と。次が育っていないのが、うちの弱さ。今の中心人物とのつなぎが出来ていないので、世代間ギャップがあります。そこを固めないと。。。 今2代目社長に代わって流れが新しくなっているので、そういうところを強化するのもいいかと思います。
中堅座談会
工藤
無事故・無違反です。私は変わらないです。
司会
後継者は?
工藤
あと3年で育つと思います。
大矢
30代の男性は社長しかいないですからね。
工藤
井本ですね。彼は頼りになります。
大矢
あとは高梨とか。藤井とか。
飯田
やっぱり同じですよね。後継者というか、今の若手の20代が自信を持って仕事に取り組めるかが重要ですね。現場にたてるのは、若手では限られた人間しかいないので、私たちがバックアップして巣立ってもらう。現場に限らずどの部署でも同じだと思います。
野村
自分も意識しなければいけない事として、お客様あってのスイレイですから、お客様のニーズを汲み取って提案出来ること。
一人一人の発想というか、柔軟さを磨き続けていかないとスイレイの価値はないと思っています。
そのためには、『自分たちが必要とされることは何なのか?』を常に考え、変化するということを意識しなければいけない。
創業から今まで、時代の変化に適合していったのがスイレイです。これからも変化していかなければいけない、変化を受け入れる柔軟さを持ち続けることが大きな課題になるだろうと思います。

仕事とプライベートについて。

司会
皆さん仕事漬けですよね?プライベートでは?
廣嶋
一人ですので、やることはやらないかんですが、時間をとるときは、ちゃんと自分の時間に取り入れてます。
司会
長くスイレイで働いてきたことは、ご自身の人格にどう影響を与えていますか?
廣嶋
僕は前職が法律事務所で法律を勉強しながら、初めて実業の世界に入ったのがスイレイなんですよ。31歳で入ったんですが。組織としては弱点なのかもしれないですけど、個人としての裁量権が大きかったので、自分の考えを持って取り組めたというのが魅力であり、遣り甲斐を感じられました。
中堅座談会
中堅座談会
倉橋
月に2日だけ何の予定も入れないようにして休日を過ごしています
司会
働く場所としての魅力は?
倉橋
僕は工場に5年くらいいて、スイレイに入ったんですが、世の中の小さい仕組みが分かったような気がします。メッキ業の社長様との打ち合わせが多かったので、商売の成り立ち方が分かったような。あとは今まで色んなことを経験しました。個人商店化ということもあったんですけど、仕事を自分で全て取り仕切る状況があったり、あるいは自分のペースで仕事ができた。極端なことを言えば平日早く帰って、休日に仕事をしてもいいし。あとは、どのくらい認められているか分かりませんが、自分でも通用してきたんじゃないかという気持ちが大きいです。注文を取れていたという事もあります。それがなければ勝手に潰れていたかもしれないです。
大矢
自分はプライベートの時間はテーマパークに行っています。その時は仕事の事は考えないです。でも日曜日の夜には仕事を思い出します。
スイレイで続いてきた理由は、会長が打ち出していた長所伸展法が大きかったかな。叱られることが少ないので続いたという気がします。
また、自分では普通にやっているつもりですが、人から真面目にやっているという評価を頂いていたので続いていると思います。
中堅座談会
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工藤
家に帰ると家族がいて、犬がいて。
スイレイを続けて良かったところは、色々な場所へ行ける。それだけでも凄く自由を感じます。海外も含めて、色んなところに行けるのが魅力です。
村上
学生時代、企業工場に内定を頂いていましたが、一年留年してしまって。。。
その当時、アルバイト先の社長が大企業・中小企業について、今後伸びそうな企業等を教えてくれました。そしてもう一つが、仕事の環境。アルバイト先では車に乗って走り回る業務を行っていたのですが、そこで僕は一つの場所にいるのが肌に合わないと気付きました。
そこで、スイレイも飛び回って仕事が出来るわけです。
お客様のところへ、例えば広島へ片道3時間半、打ち合わせ1時間で帰ってきたとか。変な話、仕事1時間で、車7時間とか。飛び回っていろんなところに行ける。
土日も仕事が多いのですが慣れましたし、昔から釣りが好きなので移動の隙間に近所で釣りできるみたいな。
休みは休みで子供達と自転車に乗って銭湯に行ったり、気分転換は出来ていますね。
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野村
まず仕事とプライベートの位置付けは、『ここから仕事』『ここからプライベート』というように線を引いてる訳ではなく、イメージでいうと自分のいる空間に仕事を置いてる感じで、何かあった時やパッと思いついた時には、何時でも仕事に向かうような感じです。
スイレイに入っての良い影響は、ユーザー様はじめ、たくさんの方々と出会い、たくさんの機会を頂き、良い体験をさせて頂いていることです。例えば、あるユーザー様が作った良い製品が生活の中にある時に、今までは普通のモノとしてしか見れなかったのが、ものづくりの背景を感じ取り、特別な想いが湧いて来る。このように理解の幅が広がっている事が嬉しいです。
飯田
プライベートでは映画鑑賞や音楽を聴く事で日常から開放されつつ先のイメージやヒントなんかを吸収しているのかもしれません。家族サービスは肥やしになりますね。そんな日常と仕事の上で何と言っても達成感が一番の喜びです。ものを作っている部署だし、小さいもの、大きいものに関わらず、考えて、それが形になって、その達成感が一番いいなと思いますね。それに加えて自分にやれること、やりたいことはまだあるなという気持ちで取り組んでいます。
中堅座談会

スイレイの未来像やスイレイの取り組む環境問題について。

倉橋
僕らが携わる環境問題で、現在の課題は亜鉛規制ですね。
現状、国の規制は2mg/lですけど、メッキ業界では暫定として5mg/lの規制値なんです。向こう数年は暫定値延長となり5mg/lですが、今後、規制値の変更になった時の対応策で困っておられるお客様も多く、その提案に力を入れています。

業種が限られ、水量も多くはないですがホウ素除去が次の大きな課題になると思います。これは非常に処理が難しく、最終的な国が考えるホウ素規制値は物理的限界値です。現在は、こちらも暫定処置というホウ素規制値50mg/lから30mg/lですが、将来的には10mg/lになると思います。 通常の化学的処理では限界値に近い状況であり、高度処理には設備コスト・運営コスト増が考えられますが、安価で国の規制値を守る水処理システムの構築を目指しています。

このようにお客様の運営コストを重要視しながら、環境保全、法規制の変化に対処できるよう全体的な水処理システムを提案していくことが僕らの仕事だと考えています。
中堅座談会
大矢
海へ行くと水が綺麗になったなというのは感じますね。
一同
(笑)
大矢
僕が子供の頃は海に行っても足の指が見えなかったんですね。だから明らかに自分らの仕事は役に立っているのかなと思います。
工藤
大きな事をいうと、環境というものは贈られたもの、贈与されたものですから、贈られたものは綺麗にしてきっちり返す。それが私が環境で考えてることですね。
廣嶋
水質がどうのこうのとか、そこに拘り過ぎると意識が狭くなってしまうような気がします。法規制を遵守できるような設備、システムはやって当たり前なんですけど、先程言いました運用支援プログラムのような形で、例えばそれをやることによって効率が良くなる。ひいてはエネルギーなどの社会的資源の節約・改善にも貢献していける。そういった提案が出来ればいいなというのが私の環境意識です。
飯田
飲み水でいうと、水素水とか、アルカリイオン水とか色々ありますよね。科学的なところは疎いんですが、今後のスイレイは地球環境に対して良い意味で貢献することが出来ているかな?と意識しつつ、プラントを構築したいと考えています。環境問題は複雑で規制も厳しくなってきていますので、時代に合わせた”少し先”の所に行けたら良いなと思いながら取り組んでいます。
村上
工場排水に関しては、日本だけでなく世界でも、リサイクル技術を確立していくべきです。
使える水は0.01%という中で、もっとリサイクルを広めるべきだと思います。 凝集沈殿の技術の進歩って30年間進んでないんですよ。今後も大きく変わる事はないと思いますが、地球に返すというよりも、工場内で回していくというのが今後の水処理技術、スイレイとしての取り組みだと思います。
司会
企業は経済合理性で動いているところがあって、意識の啓発という事もあると思いますがどうですか?
野村
勿論、どの企業も経済合理性を追求されていると思います。 また、環境意識の啓発も当然必要ですし、その2つの両立をスイレイは目指しています。
水処理メーカーとして、排水基準に対し綺麗に水を返したり、水リサイクルによる水コストと環境へのケアの両立は当然ですが、その先に思い描いているのは、お客様で使われる水の運用や維持管理です。 お客様自身からもプロに任せたいというご意見を頂戴することもあり、水を有効に使う為、ユーザー様側の人材育成や維持管理などをひっくるめてスイレイがお手伝い出来ると思います。
『美しい水をつくる。美しい水を創造しつづける。』という意識で突き進むことが大切だと思います。
中堅座談会

スイレイの未来像をどう描いているか?

倉橋
二つあります。ひとつはスイレイは30代がいないという話がありましたが、いなかったというわけではなく、各々の仕事についていけなかった人達がリタイアした訳なので、今の若手が夢を持ってやっていける状況を作りたいと思っています。そのためにも自分自身が率先して夢や希望を出し、若者が理解出来るようにしていく。もうひとつは全体的な事ですが、水処理の知識を深めた上で、営業、メンテ、施工が出来たら良いなと思います。
野村
お客様に凄く期待をして頂けるスイレイであり続けないといけない。そうでなければ、企業として残っていけないと思いますので、一つのことを追求しつつも、どこかでは複眼的に物事をみるような人々の集まりであり、そこにお客様が期待するという形を未来に作っていきたいと思います。
村上
水処理メーカーは、スイレイはじめ他社でも沢山あると思うのですが、お客様とのやりとりも含め、視野の広さ、お客様のご要望に対して一言付け加えられる、答えを言える、スイレイマンというのが発揮できれば、ちょっと変わった会社になると思います。
廣嶋
今ここで、自分たちが話しているような時間が5年、10年続いて欲しいと思う中で、自分の中では排水処理、リサイクルと、いろいろ広がっています。その中でも環境意識といった、新しい形の貢献の仕方が提案できる会社であるといいなと思います。環境に対して実効性のある事を、社会に提案できる会社でありたいと思います。
大矢
自分の仕事はメンテナンスなので、安定的な収入を盤石にして、後進にバトンタッチできればいいと思って頑張っています。
飯田
名刺にもある「水に関するあらゆるシステムを創造し続ける」というのを、工場排水処理事業に限らず水環境業界に飛躍しなければいけないし、次の時代にチャレンジしないといけないですね。そして、脈々と後輩、若手、新しく入る人たちにとって、魅力的な自分達であるべきだなと思っています。
工藤
でかいことをいうと、社会正義を実現する会社。
スイレイで働いているということを、近隣の人にも子供にも自慢できるようにしたい。
司会
本日はどうもありがとうございました。
中堅座談会

中堅座談会

司会進行 北村 信貴子
株式会社アタックス 執行役員 経営情報室 室長
株式会社アタックス・ヒューマン・コンサルティング 代表取締役社長
中小企業診断士・産業カウンセラー・BCS認定ビジネスコーチ