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2026.05.07
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排水処理設備のコスト・スペース・安全性を同時に改善する、スイレイの3つのアプローチ

排水処理設備のコスト・スペース・安全性を同時に改善する、スイレイの3つのアプローチ

排水処理設備の導入・更新を検討するとき、「処理性能」だけを見ていては不十分です。ランニングコスト、設置スペース、薬品取り扱いの安全性、そして導入後の維持管理まで含めて、トータルで最適な設備を選ぶ必要があります。

スイレイは長年のプラント設計の経験をもとに、これらの課題に対して独自のアプローチで取り組んできました。今回は、スイレイが実践する3つの取り組みをわかりやすく解説します。

スイレイの排水処理システムの全体像

スイレイの基本的な排水処理フローは、原水槽→反応槽→沈殿槽→砂ろ過機→最終中和槽という流れで構成されています。このフローの中に、スイレイ独自の機器と設計思想が組み込まれています。

1.原水槽:耐薬品性の高いポリエチレン製タンクを使用。超音波式液面計により、集中制御盤で全槽の液量・液面を一元管理できる
2.反応槽:混合槽・pH調整槽などを架台上に設置。沈殿槽へは落差で排水を導入するため、ポンプが不要
3.沈殿槽(スイレイシック):凝集槽内蔵の沈殿槽。特殊傾斜板で重金属水酸化物を速やかに沈降分離。タイマー制御の排泥ポンプでスラリーを自動排出
4.砂ろ過機(ダイナサンドフィルター):沈殿槽からの落差でポンプなしに通水。ろ過と逆洗を同時進行で連続運転が可能
5.最終中和槽:砂ろ過機のオーバーフロー水(ろ過水)が流下し、最終的な水質調整を行う

このシステム全体を貫く設計思想が、「必要な機器を最小限に絞り、省スペース・省エネルギー・安定処理を同時に実現する」というものです。以下、3つの取り組みに分けて詳しく解説します。

 

取り組み1:特徴ある機器の組み合わせによる独自システム

スイレイが排水処理システムの中核に据えているのが、スイレイシックとダイナサンドフィルターの組み合わせです。この2つの機器の特性を活かすことで、従来システムと比べてコストと設置スペースを大幅に削減しています。

スイレイシック:省スペースで高効率な沈殿槽

一般的な沈殿槽は、フロックを沈降分離するのに十分な滞留時間を確保するため、広大なスペースが必要です。スイレイシックは、槽内に特殊な傾斜板を設置することで沈降効率を大幅に高め、より短い時間・より小さなスペースで沈降分離を実現しました。

内部にはスクレーパー(汚泥掻寄機)を備え、傾斜板に沈降したスラッジをゆっくりと掻き寄せ、底部の汚泥桝に集めます。排泥はタイマー制御の排泥ポンプで自動的にスラリー槽へ送られるため、手動対応の手間が省けます。また、処理水確認孔・点検窓・スライディング点検窓など、運転状態を常時確認できる構造になっているのも特徴です。

詳細はスイレイシックの構造と原理ページをご覧ください。

ダイナサンドフィルター:逆洗不要・連続運転できる砂ろ過機

従来の加圧砂ろ過機では、ろ過工程と逆洗工程が分かれているため、逆洗のたびに処理が一時停止します。また、逆洗水を貯める槽・ポンプ・制御盤・計測機器など、多くの付帯設備が必要になります。

ダイナサンドフィルターは、これを根本から変えた設計です。エアーリフト管でろ材(砂)を常時循環させ、ラビリンス部でかき洗いしながら連続運転します。逆洗のための一時停止がないため、処理水質が常に安定しています。

さらに大きな特徴が、逆洗水の扱いです。逆洗水(流入水量の約5%)は原水槽へ戻されます。この逆洗水はSS成分を含んでいるため、原水槽に戻すことで凝集助剤と同等の役割を果たし、凝集性が向上します。つまり逆洗水が「廃水」ではなく「資源」として再活用されるのです。

従来の加圧ろ過機との違い:加圧ろ過機では逆洗水を別槽に貯める必要があり、逆洗のタイミングで処理が不安定になりやすいという問題があります。また、マットボール(ろ材の固まり)が形成されやすく、ろ材交換の頻度が高くなる傾向があります。ダイナサンドフィルターはこれらの問題を構造的に解決しています。

詳細はダイナサンドフィルターの構造と原理ページをご覧ください。

この組み合わせがもたらすメリット

このスイレイシックとダイナサンドフィルターの組み合わせは、複数のメリットをもたらします。まず電気代の削減です。貯槽・ポンプ・液面計などの必要台数が減るため、従来システムと比べて消費電力を抑えることができます。

次に省スペースへの貢献です。落差を活用した設計により配管や槽の数が最小化され、プラントの設置面積を大幅に小さくすることができます。そして処理水質の安定です。連続運転と逆洗水の再活用により、処理の停止や水質のムラが起きにくく、安定した処理が長期間にわたって維持できます。

取り組み2:薬品の安全な取り扱いと腐食対策

排水処理では硫酸・苛性ソーダ・次亜塩素酸ソーダなど、取り扱いに注意が必要な薬品を日常的に使用します。スイレイは、これらの薬品に関わるリスクを最小化するための設計と運用体制を構築しています。

ローリー車による液体直接投入

スイレイのシステムでは、硫酸(約70%)・苛性ソーダ(夏場48%、冬場24%)・塩化カルシウム(約30%)・次亜塩素酸ソーダ(約13%)・重亜硫酸ソーダ(約35%)などの基礎薬品を、ローリー車で液体のまま各薬品ストック槽に直接投入します。

これをそのままの濃度で使用し、スイレイが選定した特殊ポンプで各反応槽へ薬注します。粉末薬品や液体薬品を水で溶解する作業がないため、溶解時に発生する発熱や臭気がなく、薬品が体に付着する危険性も大幅に低減できます。薬品事故のリスクを構造的に減らすことが、この方式の最大のメリットです。

高分子凝集剤の自動溶解装置

高分子凝集剤(スイフロック)や凝集助剤(SR-2000)は、自動溶解装置で処理します。手動溶解の場合、薬液が空になったことに気づかず対応が遅れるケースがありますが、自動溶解装置ならそのようなミスが起きません。安定した薬注量の確保と、現場担当者の作業負担の軽減を同時に実現します。

スイトール:キレート化した金属への対応

工場から流れる排水には、金属とキレート剤が結合した「キレート化合物」が含まれていることがあります。キレート化した金属は、通常のpH調整だけでは除去できません。スイレイのオリジナル重金属補助剤「スイトール」は、このキレート化金属に対して効果的に作用します。一般的な排水処理では対応が難しいケースでも、スイトールを組み合わせることで安定した重金属除去を実現します。

取り組み3:SUIREI SACRAによる予防保全と見える化

設備は導入して終わりではありません。長期的に安定した処理を続けるには、日常的な監視と計画的なメンテナンスが欠かせません。

スイレイが提供するクラウド管理システム「SUIREI SACRA」は、この維持管理を根本から変えるツールです。

故障してから動くのではなく、故障する前に動く

ポンプをはじめとする機器には寿命があります。故障が発生してから対応しようとすると、部品の手配・交換作業に日数がかかり、その間は処理停止や水質悪化のリスクにさらされます。

SUIREI SACRAは、24時間すべての運転データをセキュリティの高いクラウドセンターに蓄積し、端末があればいつでもどこでも設備の状況を確認できます。

・排水原水ポンプの送水量が徐々に減っている
・ろ過機の差圧が徐々に高くなっている
といった異常の前兆をデータで察知し、スイレイのエンジニアとユーザーがデータを共有しながら予防対策を講じることができます。

SUIREI SACRAでできること

1.運転データのリアルタイム監視と記録(1画面に最大8点のトレンド表示)
2.異常の前兆検知とアラート通知
3.薬品使用量の最適化(過剰注入・不足注入の把握と改善)
4.機器データ・点検記録の時系列管理(担当者交代時の引き継ぎも容易)
5.電力・CO₂排出量の数値化によるSDGs対応支援

インターネット接続できる環境があれば導入可能で、設置環境にサーバーなどの準備は不要です。スイレイの現場力とクラウド技術を組み合わせた、排水処理設備の「見える化」を実現します。

詳細はSUIREI SACRAページをご覧ください。資料ダウンロードもご利用いただけます。

まとめ

スイレイの排水処理設備は、スイレイシック×ダイナサンドフィルターによる省スペース・省エネルギーの独自システム、薬品の安全な取り扱いと腐食リスクの低減、そしてSUIREI SACRAによる予防保全と見える化という3つの取り組みを軸に設計されています。

処理性能だけでなく、導入後の運用コスト・安全性・維持管理まで含めてトータルで最適な排水処理を実現することが、スイレイが長年プラント設計に取り組んできた結果です。設備の新設・更新をご検討の際は、ぜひスイレイへご相談ください。